だから僕はイラストをやめた

イラストにしばらくさようならしようと決めた。

 

涙が出る。

 

心臓のあたりが破れそうなほど悲しい。

 

本当はやめるなんて嫌だと思ってる。

 

だけど、私とイラストとはいわゆる腐れ縁で、

例えるなら結婚もせず同棲10年目というところ。

お互い次を探すには年を取ったと思っていて臆病で、

それでも俺達ずっと楽しかったよな、って休日にデートして、

会話もなくお互いに別々の方向を見ながら歩く心の距離に目を塞いだまま手をつなぐ。

そんな感じだ。

 

もうずっと絵が描けなくて、約1年が経つ。

平面の模写ぐらいならできるんだけど、すぐ途中で手が止まってしまう。

描けない。

描けないのも苦しいが、描いても苦しい。

絵のことを考えるだけで胸のあたりがズシッと重くなる。

 

こんなんじゃダメだ、どうせやるなら次のステージに、

講座を見ろ模写をしろ教本を実践しろ完成品をTwitterに...。

 

枚挙するとキリがないほど、頭の中の私は自分で自分を追い詰めた。

それは普通なら悪いことじゃない。

ただ、私はその理性に応える根性、心の強さがなかった。

 

そう、根性がない。

私の全ての悩みや生きづらさの原因はコレだ。わかってる。

だけど、それでもやっぱり、

仕事で頭を使った上で絵に打ち込むなんてできない。

仕事は生きるためにしなくちゃならないから、それを辞めることはできない。

今までの私のようにちょっとした問題ですぐ辞めて生きていける後ろ盾はもうないのだ。

 

だから私はイラストをやめる。

やめて何しようかって話だけど、今はとりあえず走ってる。

走ってる時と前後は気分がスッキリするから、それで誤魔化してる。

 

チーズはどこに消えた?という本を読んだ。

まさしく私にとってのチーズがイラストだった。

次のチーズへの道順は分かってる。然るべき努力だ。

けどそれをしない。

成長しない、変わらないものに世間は冷たい。

だからここらで切り上げて、生きるため仕事のために何かしなければならない。

 

か、思い切って仕事を変えるか。

 

…とりあえず、しばらくは絵から離れようと思う。

せっかく絵で繋がれた縁が惜しいですが、

こればっかりは仕方ない。

 

 

 

また夢中になれる日までさようなら。大好きだよ。